Respireは同国カナダのGodspeed You! Black Emperorに大きく音楽的影響を受けていることももちろんだが遠く日本への想いがあることも見逃せない。かつて2018年にZegema Beach Recordsよりリリースされたenvyのトリビュートアルバム『Envy/Love』にはRespireによる「Go Mad And Mark」カバーが収録されているが、海外で大きな評価を得ているMONOやenvyはポストロックやハードコアへのクラシック音楽を融合させていくアプローチを取っておりRespireの手法と共鳴するものがあり、またEP『Demonstration』が明らかにスタジオジブリ作品『千と千尋の神隠し』(英題:「Spirited Away」)がアートワークに使用されているように、ジャパニーズカルチャー的価値観によって様々な要素の融合を計っているようにも思える。音楽を通して発信するメッセージを重要視してきたバンドが故に、西洋的な価値基準にのみ基づいた表現ではないことも特筆すべき点だ。本作は歌詞カードに日本語歌詞のみを掲載しているが、アートワークにおいてもフロントジャケット以外は日本版として新たに再編集が施されており、そこにも十分な意味が込められていることも感じてほしい。 (インフォメーションより)
tracklist: 1. Keening / 哀歌 2. The Match, Consumed / 使い古しのマッチ 3. Distant Light of Belonging / 遠き光 4. First Snow / 初雪 5. Home of Ash / 灰の家 6. Voiceless; Nameless / 声なき声 7. The Sun Sets Without Us / 俺たちのいない日暮れ 8. We Grow Like Trees in Rooms of Borrowed Light / 借り物の光 9. Do the Birds Still Sing? / 小夜啼鳥の歌 10. Farewell (In Standard) / 別れの挨拶